オールオン4のメリット・デメリット:総入れ歯やインプラントと比較して解説

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歯科コラム/2022年11月20日

オールオン4

インプラントには、「オールオン4」という特別な治療法があることをご存知でしょうか?オールオン4とは、すべての歯を失った症例に適応されるインプラント治療であり、総入れ歯や標準的なインプラントとは異なるメリット・デメリットがあります。ここでは、そんなオールオン4のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

総入れ歯と比較した場合

総入れ歯と比較した場合のオールオン4には、次のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

メリット①天然歯に近い噛み心地を得られる

オールオン4では、顎の骨に人工歯根であるインプラント体を埋め込むため、天然歯に近い噛み心地が得られます。噛んだ時の力を顎の骨がしっかり受け止めてくれます。人工歯にセラミックを選択することで、耐久性も高められます。

メリット②発音への影響が少ない

総入れ歯は取り外し式の装置なので、しゃべるときにズレたり外れたりしますが、固定式のオールオン4ではそのようなトラブルは起こりません。また、入れ歯のような違和感もほとんどないので、発音への悪影響を最小限に抑えられます。

メリット③痛みが起こらない

合わない入れ歯は、歯茎を傷めたり、頬の内側の粘膜に刺激を与えたりするなど、使っていく中で痛みを感じることもあります。一方、4本の人工歯根によってしっかり固定されたオールオン4では、痛みを伴うようなトラブルは起こりにくいです。

メリット④外れない

総入れ歯は安定性に乏しく、食事や会話の際に外れることがありますが、固定式のオールオン4が外れることはまずありません。

メリット⑤早期に装着出来る

オールオン4は、インプラント体を埋入する手術直後に入れ歯に当たる上部構造を装着できます。一方、総入れ歯は装着するまでにそれなりの期間を要します。

メリット⑥若々しさをキープ出来る

4本の人工歯根を土台とするオールオン4では、噛んだ時の力を顎の骨に伝達することができます。つまり、本物の歯と同様のメカニズムで咀嚼(そしゃく)運動を行うことができるため、顎の骨が瘦せていく現象を最小限に抑えられます。
一方、総入れ歯は、噛んだ時の力を歯茎で受け止める装置なので、顎の骨に加わる刺激が少なくなります。その結果、顎の骨が痩せていき、口元の老化が進んでいくことになるのです。お口周りの筋肉が弛緩することも総入れ歯が「老けて見える」原因の一つといえるでしょう。

デメリット

デメリット①手術が必要

オールオン4には必ず外科手術を伴います。人工歯根であるインプラント体を顎の骨に埋め込まなければならないため、全身状態が良くない人にとってはそれなりのリスクを伴う治療となります。

デメリット②適用出来ないケースがある

オールオン4は大変優れた治療法ですが、顎の骨や全身の健康状態によっては、その他の治療法が第一選択となる可能性も十分あります。その点、総入れ歯はすべての歯を失っている、あるいは抜歯予定であれば、適用できないケースは皆無に等しいです。

デメリット③治療費用が高い

保険適用される総入れ歯は、治療にかかる費用も自ずと安くなります。一方、オールオン4には原則として保険が適用されず、治療にかかった費用は全額自己負担となります。実際にどのくらいの費用がかかるかは、患者さまのお口の状態などによって大きく変動します。

インプラントと比較した場合

次に、オールオン4と標準的なインプラントとの比較です。

メリット

メリット①身体への負担が少ない

オールオン4では、基本的にインプラントを4本だけ埋め込めば、総入れ歯に相当する上部構造を支えることができます。顎や全身への負担を最小限に抑えられ、手術後のリスクも最小限に抑えられます。

メリット②治療費用を抑えられる

インプラントにかかる費用は、1本あたり300,000~400,000円が全国的な相場です。失った歯の本数だけインプラントを埋め込むと、大変な額の費用が発生することになります。その点、オールオン4では、人工歯根の埋入本数が4本なので、治療にかかる費用を大幅に抑えられます。

メリット③審美性に長けている

標準的なインプラントとオールオン4を比較した場合、上部構造の自由度は後者の方が高くなっています。オールオン4なら、理想的な歯並びが実現できます。
また、失った歯茎を人工的に回復させることができるので、お口の張りも取り戻すことができ、審美性においても標準的なインプラントに優っているといえます。

メリット④早期に装着出来る

標準的なインプラントは、人工歯根を埋入してから3~6ヵ月程度、待機する必要があります。その間は仮の歯を設置することも可能ですが、しっかりと噛むことはできません。一方、オールオン4は人工歯根を埋入した当日に上部構造を装着することが可能です。歯がない状態や噛めない状態が短い点もオールオン4のメリットといえるでしょう。

デメリット

デメリット①すべての歯を抜かなければならない

オールオン4は、歯が1本もない「無歯顎(むしがく)」の症例が対象となります。歯が残っている場合は、手術を行う前にすべて抜かなければなりません。標準的なインプラント治療は、歯を失った部位にだけ適応できるので、状態の良い天然歯を保存できるというメリットがあります。

デメリット②治療を受けられる歯科医院が限られる

オールオン4は、極めて専門性の高い歯科治療であり、対応している歯科医院は全国的にも一部に限られます。ですから、ケースによっては県をまたいで遠方まで通院する必要が出てきます。一方、標準的なインプラントに対応している歯科医院は数が多く、近隣で見つけるのも難しくないでしょう。

まとめ

今回は、4本のインプラントで上部構造(総入れ歯)を支えるオールオン4について解説しました。オールオン4は、標準的な総入れ歯やインプラントと比較しても優れた部分が多々あり、無歯顎の方には広くおすすめできる治療法ですが、デメリットも伴う点にご注意ください。そんなオールオン4について、さらに詳しく知りたい方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。