インプラントの寿命はどれくらい?縮める原因や延ばす対策等を解説

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歯科コラム/2022年11月9日

インプラントの寿命

インプラントは見た目が良く、噛み心地も天然歯に近い装置ですが、寿命がどのくらいなのかも気になりますよね。ここではインプラントの寿命の長さや縮める原因、延ばす方法などを詳しく解説します。

インプラントの平均寿命

インプラント体のイメージ

インプラントは、従来の装置よりも長持ちすることで有名ですが、寿命としては10~15年くらいが平均とされています。そもそもインプラントには10年保証がついているケースがほとんどで、治療後に適切なケアを継続することで少なくとも10年は持たせることが可能です。ただし、これはあくまで平均寿命であり、ケアの状況によって、5年で寿命を迎えることもあれば、20年経っても問題なく使い続けられていることもあります。実際、過去には、患者さんがお亡くなりになるまで40年間、インプラントを使い続けたという事例もあるくらいですので、インプラントの寿命はやり方次第でいくらでも延ばせるといえます。

インプラントと入れ歯とブリッジの平均寿命を比較

歯を丸ごと1本失った場合は、インプラント入れ歯ブリッジの3つの選択肢からひとつを選ぶことになります。従来は入れ歯かブリッジの2択だったのですが、第3の選択肢であるインプラントが加わったことで、より自分に合った治療法を選べるようになりました。特に寿命という観点においてこの3つには明確な違いがあります。

インプラント

インプラント

まず、インプラントは上述したように平均寿命が10~15年と最も長く、再治療の必要性が低い装置といえます。インプラントは費用が高かったり、治療期間が長かったりするのですが、その分、長期にわたって使用できることから、コストパフォーマンスに優れた治療法といえます。

ブリッジ

ブリッジ

次に平均寿命が長いのはブリッジで、だいたい7~8年すると使用するのが難しくなります。ブリッジは支えとなる両隣の歯を大きく削らなければならず、ある意味で“後戻りのできない”治療ですので、7~8年という寿命は決して長いとはいえないでしょう。

入れ歯

入れ歯

平均寿命が最も短いのは入れ歯で、4~5年すると新しいものに作り替えるのが一般的です。この中で唯一、着脱式の装置である入れ歯は、安定性や装着感、使用感に劣ることから、寿命を迎える4~5年の間にも調整を繰り返していく必要があります。

インプラントの寿命を縮める原因

インプラントは、次に挙げるような原因によって寿命が短くなります。

原因①格安インプラントを使っている

インプラント治療にかかる費用は、1本あたり300,000~400,000円が全国的な相場となっています。それを1本あたり100,000円程度で治療する「格安インプラント」は、使用している材料が粗悪であったり、執刀する歯科医師の経験が浅かったりするなどの理由で、寿命が短くなりがちです。

原因②インプラント歯周炎

インプラントの寿命を縮める主な原因は「インプラント歯周炎」の発症です。インプラントは歯冠から歯根まですべてが人工物で構成されているので虫歯になるリスクはゼロなのですが、歯周病にはかかります。インプラント体には歯根膜(しこんまく)と呼ばれる重要な組織がないことから、一度歯周病を発症してしまうと治りが悪く、歯茎や顎の骨がどんどん破壊されていきます。その結果、歯周組織が人工歯根を支えきれなくなって、インプラントの脱落を招くのです。

原因③喫煙

タバコの煙には、歯茎の血流を悪くする成分が含まれています。具体的には、ニコチンが歯茎の血管を収縮させて、酸素や栄養素、免疫細胞の供給を滞らせます。そうなると歯茎の元気がなくなって歯周病などの感染症になり、インプラント体を支えきれなくなるのです。

原因④歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりの習慣があると、インプラント体やセラミック製の上部構造に過剰な負担がかかり、装置の寿命を縮めます。ですから、治療前はもちろんのこと、治療後に歯ぎしりや食いしばりをするようになった場合も、できるだけ早く改善した方が良いといえます。自力で改善するのが難しければ、歯科医院で歯ぎしりの治療を受けましょう。

インプラントの寿命を延ばす対策

対策①定期メンテナンスを受ける

インプラントの寿命を延ばす最も有効な方法は、メンテナンスを受けることです。定期的なメンテナンスを受けることで、装置の破損や異常を早期に発見できます。インプラントの脱落につながるインプラント歯周炎も予防しやすくなることでしょう。

対策②喫煙回数を減らす

喫煙習慣がある方は、タバコを吸う本数を可能な限り減らしてください。もちろん、禁煙するのがベストですが、それが難しければ減煙しましょう。

対策③歯ぎしり・食いしばりに対処する

歯ぎしり・食いしばりは、インプラントだけでなくその他の歯や顎の関節にまで大きな悪影響を与えるため、早期に改善するのが望ましいです。歯科医院を受診すれば、ナイトガードというマウスピースを用いた治療を受けることができます。

対策④正しいケアを行う

プロフェッショナルケアである「メンテナンス」と同じくらい重要なものに、ご自宅での「セルフケア」があります。毎日の歯磨きをしっかり行うことで歯周病のリスクを軽減でき、装置としての寿命を1年、また1年と伸ばしていくことが可能となります。正しいケア方法に関しては、メンテナンスのブラッシング指導で身につけることができます。

インプラントが寿命を迎えたら再手術を受けられる

インプラントは寿命を迎えてしまったとしても、再手術を受けることが可能です。顎の状態が正常であれば、改めてチタン製のインプラント体を埋め込めますし、人工歯の再治療も行えます。ちなみに、定期的なメンテナンスをしっかり受けていることが前提ではありますが、インプラント体の脱落が保証期間内であれば無償で再手術を受けられるケースも珍しくありません。もちろん、すべてのケースで再手術の費用がかからないわけではありませんので、その点はご注意ください。当然ですが、歯科医院が提示した保証の条件を満たす必要があります。

まとめ

今回は、インプラントの寿命について解説しました。インプラントの寿命を縮める原因と寿命を延ばす方法の両方を熟知していれば、15年、20年と長持ちさせることも難しくなくなります。そんなインプラント治療についてさらに詳しく知りたい方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。