虫歯が痛くて寝れない原因と対処法を紹介

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歯科コラム/2022年3月16日

虫歯が痛くて寝れない原因と対処法を紹介

虫歯による痛みは、1日の中でも大きく変動します。日中、仕事や勉強をしている時はそれほど痛くなかったのに、深夜に痛みが強まって寝れなくなることも珍しくありません。歯痛によって眠れなくなることほど辛いものはありませんよね。ここではそんな虫歯が痛くて寝れない原因と対処法についてわかりやすく解説します。

虫歯が痛くて寝れなくなる原因

虫歯の痛みが夜間に強まるのは、いくつかの原因があります。

原因①横になるので頭部の血流がよくなる

病気やケガによる痛みというのは、患部の 血流が良くなることで強まりやすいです。そのため、立っている時間が長い日中は、重量の影響で血液も下の方に流れやすく、患部の血流は比較的乏しくなります。一方、眠る際には横なって頭部への血流が増すため、患部の痛みを強めることとなります。虫歯になっている部分に血液がたくさん流れ込むと、神経が圧迫されやすくなるのは容易に想像できますよね。

原因②副交感神経が優位になる

身体の状態を一定に保つ自律神経は、交感神経と副交感神経の2つに分けられます。交感神経は素早く反応する時に優位となる神経で、頭を使っている時や身体を動かしている時にその活動が高まります。その逆の作用を持つ副交感神経は、眠る前に最も優位になるといえます。副交感神経が優位になると、心と身体が落ち着くと同時に、ちょっとした痛みにも敏感になります。その結果、虫歯が痛くて寝れないという現象が起こるのです。

原因③入浴・飲酒等で血流がよくなる

全身の血流が良くなる行為としては、入浴・飲酒・運動などが挙げられます。温かいお風呂に浸かると、血管が拡張し、頭部を含めた全身の血流が良くなります。お酒を飲むことでも同様の現象が現れます。運動している最中は、交感神経が優位となり、歯の痛みも弱まりやすいですが、同時に全身の血流も良くなるため、運動後に歯痛が強まることがあります。いずれも病気ケガをした時、歯を抜いたあとなどには禁止される行為であり、虫歯が重症化している場合もできるだけ控えた方が良いといえます。

寝れない歯の痛みの対処法

歯痛で寝れない時は、とにかく今すぐにでも改善したいものですよね。そんな時は、次に挙げる8つの対処法を一つひとつ試してみてください。

対処法①患部を冷やす

歯の痛みは、一種の炎症反応に由来しています。歯の神経に感染が及び、歯髄炎(しずいえん)を起こしていることから、患部を冷やすことは症状の改善に有効です。ただし、歯に氷を直接当てるようなことはしてはいけません。患部を過剰に冷やすことは、さらなるトラブルを招きかねないからです。濡れたタオルを顎に当てるなど、間接的に患部を冷やすことが大切です。

対処法②丁寧に歯磨きをする

歯の痛みが患部の汚れによって引き起こされていることもあります。食べかすや歯垢などがたまっていると、細菌の活動が活発化して歯痛も強まります。痛みで辛いかとは思いますが、患歯も含めた歯列全体をやさしく、丁寧に歯磨きして清潔に保ちましょう。即効性が期待できる対処法ではありませんが、症状の悪化を防ぐことはできます。

対処法③ツボを押す

私たちの身体にはたくさんの「ツボ」があります。そのうち「合谷(ごうこく)」と呼ばれるツボは、頭痛や顔面神経麻痺、歯痛の症状を緩和する作用が期待できます。そんな合谷は、人差し指と親指の骨が交差する部分に位置していますので、もう片方の手でやさしく押してみてください。合谷を適切な方法で刺激すると、エンドルフィンと呼ばれるモルヒネのような物質が分泌され、痛みを和らげてくれます。押しすぎると期待している効果が得られませんのでご注意ください。

対処法④マッサージする

歯痛の原因にもよりますが、患部の周囲の筋肉をマッサージすることで症状が改善されることもあります。ただし、マッサージをしすぎると患部を刺激してしまい、痛みがより一層強くなることもあります。マッサージも適度に行うことが大切です。

対処法⑤痛み止め(鎮痛薬)を飲む

今現在、歯科治療中で歯科医院から痛み止めを処方されている場合は、迷わずそれを飲みましょう。用法・用量を守って服用すれば、夜間の歯の痛みも効率良く抑えられます。処方薬がない場合は、市販の痛み止めや鎮痛剤でも構いません。普段から使っている鎮痛剤を飲んで、痛みを和らげましょう。

対処法⑥軽いうがいをして歯に詰まったものを除去する

歯が痛い時は、患部の清掃が不十分になりがちです。場合によっては歯に汚れが詰まっているかもしれません。それは虫歯菌の活動を活発化される原因にもなるため、しっかり取り除く必要があります。歯ブラシによるブラッシングが難しければ、軽いうがいをしましょう。とにかく患部は清潔に保つことが大切です。

対処法⑦虫歯の穴に正露丸を詰める

昔から「歯の痛みには正露丸が効く」と言われており、実際に試したことがある人もいらっしゃることでしょう。歯科医師が治療で正露丸を積極的に使うことはありませんが、応急処置として使用する分には問題ないといえます。というのも、正露丸には歯痛を抑える成分が含まれており、虫歯の穴に詰めることで症状の改善が見込めるからです。炎症を起こしている患部に直接作用させることから、痛み止めよりも即効性は高いといえます。とはいえ、あくまで応急的な対処法であり、虫歯が根本的に治るわけではないという点にご注意ください。

対処法⑧歯科の夜間救急外来を受診する

歯や歯茎の痛みが強くてなかなか眠れない、眠れないどころかじっとしているのも辛い場合は、歯科における夜間の救急外来を受診するのもひとつの方法です。高い費用を支払うことにはなりますが、歯科医師が応急処置をしてくれます。ただし、本格的な歯科治療には対応していませんので、その後は一般外来で治療を受けなければなりません。

虫歯以外で歯が痛くなるケースがある

夜間の歯の痛みは虫歯が原因と思いがちですが、例外もあります。ここでは虫歯以外で歯が痛くなるケースを2つご紹介します。

ケース①歯そのものが痛い

虫歯になっていない歯でも、歯そのものに原因があって夜間の歯痛が強まることがあります。例えば、歯を強く打った時などには、感染を伴わない歯髄炎を発症することがあります。頭を強くぶつけた時は、その部分が赤く腫れますよね。それと同じ現象が歯でも起こるのです。また、象牙質知覚過敏症でも夜間に歯痛が強まることがあります。象牙質は外からの刺激を受けやすく、口腔内に露出していると歯痛の原因となります。

ケース②歯茎が痛い

歯痛が生じているように感じても、痛みの原因が歯茎にあるケースも珍しくありません。歯周病が進行すると、歯茎に強い炎症反応が起こります。それを歯痛と勘違いしてしまうこともあるのです。

まとめ

このように、虫歯が痛くて寝れない原因はいくつかにわけられ、対処法も複数存在しています。ただし、いずれも応急処置でしかなく、根本的な治療とは程遠いものです。そのまま放置すると、歯の痛みを始めとした虫歯の症状がどんどん深刻化していくだけなので、虫歯になった時点ですぐに歯科医院を受診しましょう。ケースによっては歯周病が背景にあることも十分考えられますので、歯周病の治療および予防も極めて重要だといえます。定期的な歯科検診を受けて虫歯・歯周病を予防すると「虫歯が痛くて眠れない」といった辛い思いをすることもなくなりますよ。